16年ぶりJ1リーグ通算防御率歴代1位が変わりチョン・ソンリョンに! サランヘヨ チョン・ソンリョン。
2020/02/21

例えば1-0で勝った試合の場合、0点に抑えたDF陣やGKよりも得点をあげた選手やアシストをした選手の名前がメディアに出るのがほとんどだ。
そしてGKでいえば、どんなスーパーセーブを見せてもメディアの一面を飾ることはほぼなく、あるとすれば選手と交錯して怪我をしたとか、PKを取られて負けたとか不名誉な感じで載ることが多い。
そんな中、前節の大分戦で偉大な記録が生まれた。この記録もまた、大々的にメディアで扱われる事はないが我々フロンターレサポーターにとってはとても名誉な事だ。
我らが守護神 チョン・ソンリョンが16年ぶりにJ1リーグの通算防御率1位の座を変えたのだ。
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— フロスキ⭐️⭐️ (@frosuki) 2019年5月29日
16年ぶりJ1リーグ通算防御率歴代1位がチョン・ソンリョンに! サランヘヨ チョン・ソンリョン。
目次
ザルと言われなくなった守備
2016年に川崎フロンターレに移籍してきた現役韓国代表(当時)であったGKがチョン・ソンリョン。
彼がフロンターレに来てから確実に変わったことがある。
それは失点数だ。ソンリョン加入前の2015年は48。
加入した2016年、序盤こそ慣れない日本で苦労(開幕こそクリーンシートだったが、2節3節で合計6失点)しただろうが、すぐにセーブ力を発揮する。
それまで守備はザルと言われたフロンターレ。そんな雑音も次第に聞こえなくなったのだ。
年度 | 失点数 |
---|---|
2013年 | 51 |
2014年 | 43 |
2015年 | 48 |
2016年 | 39 |
2017年 | 32 |
2018年 | 27 |
※数字はリーグ戦でのみの成績
GK通算防御率で0.882(J1通算105試合92失点)となり、J1リーグ歴代首位へ
2016年加入から106試合。前節の大分戦で、チョン・ソンリョンは通算防御率(リーグ戦)で0.882となり、J1リーグ歴代1位となった。
通算防御率なので、毎試合数値は変わる。次節失点すればまた2位に落ちるかもしれないが、現時点で1位であり、これまで1位だったアルノ・ヴァン・ズワム(磐田)以外が首位に立つのは16年ぶりのことだそうだ。
ちなみに昨年(2018年)ソンリョンはベストイレブンに選出されたが、外国人GKが前回選ばれたのが2001年でこれも17年ぶり、しかも前回のベストイレブン外国人GKがヴァン・ズワムだったのだ。
※防御率とは1試合(90分)あたりの失点数を表す。(失点×90÷出場時間)
通算防御率ベスト10
選手名 | 防御率 | 試 | 出場時間 | 失点 |
---|---|---|---|---|
チョン・ソンリョン | 0.882 | 106 | 9387 | 92 |
ヴァン・ズワム | 0.885 | 74 | 6709 | 66 |
榎本哲也 | 1.019 | 238 | 21207 | 240 |
クォン・スンテ | 1.029 | 50 | 4459 | 51 |
中村航輔 | 1.105 | 79 | 7084 | 87 |
シジマール | 1.1066 | 61 | 5856 | 72 |
林 卓人 | 1.1067 | 289 | 25943 | 319 |
岡 大生 | 1.114 | 35 | 3150 | 39 |
林 彰洋 | 1.117 | 214 | 19260 | 239 |
曽ヶ端 準 | 1.129 | 529 | 47444 | 595 |
※出場時間2700分以上
※現在でのJ1現役選手は、チョン・ソンリョン、クォン・スンテ、林彰洋、曽ヶ端準 ※中村航輔は現在J2
しかし曽ヶ端選手の超人ぷりが分かる数値でもあります。
フロンターレがここまで失点の少ないチームになった訳
2016年は新加入DF陣が大当たり
最後のまで優勝争いをしていた2016年。
2016年は2シーズン制、最後の年でした。最後の最後で優勝は逃してしまったが、この年は奈良ちゃん・エドゥアルドが加入し、DFリーダー谷口彰悟も力を発揮した。
奈良ちゃんとエドゥのポジション争いも激しく、相乗効果も生まれ、ボランチで加入したエドゥアルド・ネットも大活躍だったし、加入選手はみな当たりの年だったのだ。
右SBである2年めのエウソンはより変幻自在となり、左SBの車屋もその地位を不動のものとした。
ちなみに、この年は多くの等々力劇場をホーム等々力競技場で見せてくれたが、やはり天皇杯の浦和戦がベストバウト。
最後のPK戦でのソンリョンの駆け引きは素晴らしかった。
今でも思い出すと感動する試合。天皇杯は決勝までいくも、敗れ準優勝に。
攻撃の為の守備
2017年、前年まで指揮をとった風間監督に変わり、コーチであった鬼木達が監督に就任。
前年までのパスサッカーから、球際の激しさを加えた鬼木サッカーが誕生し、見事最終節で大等々力劇場により初優勝を遂げた。
2017年もそうであったが、2018年は、従来のパスサッカーと球際という点に加え、前線から激しいプレスをかけるスタイルが定着し、攻撃の為の守備が根付いた。
2016年よりも2017年・そして2018年と失点数が年々減っているのもこうした効果が大きい。
今でも守護神であり続けるチョン・ソンリョン
移籍してからソンリョンは、度々神がかったセーブで危機を救ってくれている。
やはりクリーンシート(完封勝利)には拘りがあるようで(フロンターレ全体の意識の高さでもある)、失点すると、とても悔しそうだし、優しいソンリョンでも戦闘モードの時は怒った顔もする。
そうした意識の高さが、歴代防御率に繋がっているのだよね。
そして神セーブで思い出すシーンは沢山あれど、2017年でのACLの終了間際の神セーブはもっとも感動したシーンのひとつだ。
谷口彰悟に「後ろに神がいました」と言わせる程のプレー。ああ、ソンリョンがいてくれて幸せだ。
そう思わずにいられない夜でした。
これからも長く居て欲しいし、できれば韓国代表に復帰してもらいたい。
頑張れソンリョン。
優しくて家族思いのソンリョン
たまに新百合ヶ丘に買い物にいくことがありますが、そんな時ソンリョンに出くわすことがあります。
家族思いの優しいソンリョン。
凄い選手なのに奢ること無く、いつも笑顔で応じてくれます。(プライベートなので握手とかサインはだめですよ)
最近で言えば、昨年のJリーグアウォーズでベストイレブンを取った時のソンリョンのコメント。
「この賞は、私だけでなく章太やポープ、安藤やコーチと一緒に取った賞です ありがとう」的な(うる覚え)事を言ってくれた時、感動で瞼が熱くなったのを思い出します。
とにかく16年ぶりに首位が変わったこの通算防御率。
今は次の浦和戦まで、私の心はおめでとうソンリョンモードなのだ。
サランヘヨ チョン・ソンリョン(사랑해요 정성룡)

