小さな不満は大きな事故に。ハインリッヒの法則をサッカークラブ運営に置き換えて考えてみる

    私が好きな川崎フロンターレ。
    最近は観戦に行っても、等々力でなんだかイライラ(不機嫌)している様子の人を見かけることがあります。
    斯様な人々はクラブに対して小さな不満や怒りを抱いているのでしょうか。それとも実生活で悩みがあるのかは分かりません。
    スタジアムでは怒るよりも穏やかに楽しむ事を優先し、隣の席の人が快適ならば自分も快適であるという発想を持ってもらえればと思います。

    今回は、クラブに対して思う、小さな怒りや不満は数が増えると大事故を生み出すという事をテーマに記事を書こうと思います。

    ただでさえ、ブログ無精な私。撮った写真でさえ何試合分もアップしていないという体たらくな私の乱文な記事ですがお付き合いください。

    ハインリッヒの法則から考えるサッカークラブ運営とサポーターの心構え

    さて、ハインリッヒの法則という言葉があります。

    簡単に説明すると、1件の大事故が生まれる背景には軽微な事故が29件あり、またその軽微な29件の事故の背景には300の異常(ヒヤリハットとも言う)が存在するというものです。
    この比率から1:29:300の法則とも言われています。

    これは、元々は労働災害の分野で知られている事故の発生についての経験則ですが、様々な分野でもこの考え方が応用されています。

    ヒヤリハットとは「危ない(不満)ことが起こったが、幸い大事には至らなかった事象のこと」と定義されています。ヒヤリとした、あるいはハットするような、一歩間違えれば重大な事故につながる出来事が起こったものの、結果として重大な事故の発生までには至らなかったケースが該当します。
    これらが300件あるとすれば、それらが軽微な29件の事故を引き起こし、やがては大事故に繋がるというのがハインリッヒの法則です。

    ハインリッヒの法則の大事故とは


    ハインリッヒの法則の1である重大な大事故。

    サッカーに置き換えて考えてみます。
    例えば、とあるクラブのサポーターがルールを破りJリーグから処分を受けるとしましょう。
    処分は勝ち点剥奪だったり無観客試合だったりです。
    善良なサポーターからしてみれば、一部のサポーターが起こした不祥事により、クラブと他のサポーターが受ける被害は大きいものです。
    また、社会から見た日本サッカー界のイメージダウン等、経済的損失も大きなものになります。

    ハインリッヒの法則で言えば、1の大事故を出す背景には29件の軽微な事故が存在します。それらを放置しておくと大事故が生まれるということです。

    軽微な事故。例えばこんな事例でしょうか。

    ・帰り道、自転車に当てられ怪我をした。
    ・他のサポーターと口論になった。
    ・自由席で朝から並んでいたが、スタジアムに入ると席が確保出来なかった。
    ・座席に置いてあった物が盗まれた。などなど

    クラブに対して苦情を言ったりSNSで話題になるようなレベルです。

    中々こういった軽微な事故はクラブにメールをしても早急に対処してくれるものではありませんが、これらの事象を見逃していると、その問題を生み出しているサポーターの小さな悪が、やがては重大な大事故を起こす原因となります。
    先日Jリーグの野々村チェアマンが仰っていたクラブの自浄能力が試されます。

    重要なのがヒヤリハットを潰していくこと

    さて、大事故を生むであろう軽微な29の事故は、300件の小さな事故、つまりクレームにまでは発展しない事象が積み重なり生み出すと考えられます。

    ・隣の席の人が身を乗り出していて観戦に支障があった。
    ・禁煙場所で喫煙している人がいる。
    ・スタジアムの外で歩きタバコをしているサポーターがいる。
    ・自由席の席を横取りされた等。
    ・帰り道の混雑。
    ・ゴミを道端に捨てる人間がいる。
    ・野球場前のスケートボードの人たちが怖い。
    ・マスクを外して会話をしている人がいる。

    数え上げたらいくらでも出てくるのがヒヤリハットです。
    無数のヒヤリハットは大事故へ繋がるきっかけです。
    また、ヒヤリハットが増える事で治安も悪くなります。

    この300のヒヤリハットを防ぐ事で29件の軽微な事故を軽減させ、大事故を未然に防ぐことが出来ると考えます。
    これは同時に顧客満足度が向上する要因ともなるのです。(リピーターの獲得、サポーター離れを防ぐ)
    では、300の数値をサッカー運営に置き換えた場合、どのように防ぐか考えてみます。

    ヒヤリハットを防ぐ

    一般的なサービス業と違い、サッカークラブとサポーターの関係は密接で他業種の顧客との関係性とは違います。
    お互いが協力し合える存在だと思います。
    まずは、我々が他人を思いやる気持ちを持つ。何万人もの人と試合を共有している事を認識したいものです。
    なぜならば、ヒヤリハットの多くはサポーター自身が生み出しているものだからなのです。

    クラブ側の対応としては、スタジアムで行われる試合には様々なルールや規約が存在します。
    今ならばマスク着用で来場とか。これくらなら皆知っていますね。
    何故ならばSNSやサイトで徹底的に周知させているからです。

    トラブルを未然に防ぐ為の方法としては、聞いていなかったとか知らなかったと言わせないことです。
    告知の徹底です。大抵は事故が起こった後で注意として告知するケースが多いのですが、それでは遅いのです。
    今話題の朝抽選。これは多くのヒヤリハットを生みますが、中でも違法駐車は深刻な問題です。
    違法駐車をされた住宅の持ち主はクラブにクレームを上げ、そこからクラブはSNSやサイトで告知するのです。後手ではあまり効果がありませんね。

    ・禁止事項をわかりやすく説明する
    ・警備員の配備

    ・違反者への厳しい対処

    すべてのヒヤリハットを防ぐのは無理でも、優先順位を決めてクラブには一つずつ解決していってもらいたいものです。

    ヒヤリハットは対応次第ではチャンスにもなる

    マーケティングではクレームはチャンスでもあると考えられています。一つ一つのクレームに対して誠意を持って対処することでリピーターに変換させるテクニックです。
    素早い初期対応で、不満分子の問題を解決することで、満足度を向上させ、逆に感謝される存在になるのがクレームをチャンスにする方法です。

    また、声をあげることのない人達の隠れヒヤリハットへの対応も重要です。
    地域貢献度NO1と言われるフロンターレですが、同時に我々を嫌う人たちが多く存在することも忘れてはなりません。
    クラブには地元(特に帰宅時に通る住宅街の住民)から愛される存在でいて欲しいので、私も更に気を引き締めて観戦に行こうと思います。

    ハインリッヒの法則以外でもこんな言葉があります。

    不満を持った顧客の96%は、企業に対して何も言わない。一般にクレームが1件あると、問題を抱えた顧客が他にも24人存在することになり、そのうち6件は深刻な問題なのである。
    BY-サービス・マネジメント

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    フォト86枚 J1リーグ2022 第8節 川崎フロンターレvs.柏レイソル

    フォト71枚 J1リーグ2022 第32節 川崎フロンターレvs.清水エスパルス

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