第6節終わって勝点7。憲剛「今は進化の過程」。フロンターレの壁とフリーの定義とは。

リーグ戦も6節が終わり、ここまでのフロンターレは1勝4分1敗。
今までですと、調子が悪くても、次節がホーム等々力ならば「きっと勝ってくれるはず」という期待がありましたが、昨日のセレッソ戦でも等々力劇場は見られずでした。
我慢の時期ですね。

今年去年との違いはただ一つ。右からの攻撃であることは明確。
エウソンがいなくなった事で、右が起点となることが難しく、またカウンターも狙われやすいという、右が弱点となってしまっていることです。
これは右SBのファーストチョイスであったはずのマギーニョがフィットしていないことや、馬渡の怪我も理由にあげられます。

鍵は右のコンビネーション

エキサイティングな家長のプレー。
昨年のMVPでもあり、まぎれもないフロンターレの中心選手。
それだけでなく、多くの得点には彼が絡み、起点にもなる。
右からの崩しがうまくいかない時、家長は迷いなく左に移り、左から崩すことを試みる。
これは昨年エウソンの得点が減った要因でもあるが、今年は特に右からの攻撃が減ってきました。
それでもエウソンの場合は、常に動き回り、スペースを開ける工夫をしていたり、いつボールが来ても対処できるように裏を狙った動きがありました。

今年もスタッツを見るまでもなく、左からの攻撃が多かったのですが、このセレッソ戦では、家長が右のポジションを変えることは少なく、我慢強くプレーします。(おそらく監督の指示)
ラルフと息が合わずイライラしているように見えたシーンもありましたが、幅を使うという点では右に家長、左に阿部ちゃん(ハセタツ・学)というのは相手にとって怖いでしょうね。

ここが上手く機能してくれば、家長が左に行くことがあっても、そこはそこで活きてくるでしょう。

右サイドはコンビネーションで成熟していないし、まだチャレンジしているところなので、仕方がないところはある。
それを上回れるようにすることと、もっと意図的に左サイドにボールを持ってこれるように。そこはチームとしてのやり方を積み重ねていく必要がある。

阿部浩之@川崎フロンターレ公式

高度なフロンターレサッカーがもたらす壁

大島僚太が怪我で離脱してから、田中碧君の活躍が光ります。
プロ3年目ですが、ここ数戦で今までの成長を大きく上回る経験と成長を遂げていることでしょう。
他のサポーターの声を聞いても碧君を褒める言葉が多く聞かれます。

ですがこの試合で言えば、田仲碧、守田、鈴木ラルフ、知念と若手が4人も入っています。
右サイドバックの問題だけでなく、風間監督時代から積み上げてきたサッカーもこれだけ人が変われば、ズレが生じるのはフロンターレのサッカーが繊細であることを物語ります。

センチ単位でパスを入れるもそうだし、外すところもそう。外した後もそう。
相手にマークを付かれている中で入れるのか。そこで自分が入っていって、2対1を作るのか。ただそれは進化の過程だと思っているので、もうちょっとだと思っている。
もどかしさはあるけど、やっていくしかない。

中村憲剛@川崎フロンターレ公式より

進化の過程という言葉で、2016年に中村憲剛がスポナビのインタビューで風間サッカーについて話していたことを思い出しました。

“止めて蹴る”ができるようになってくると、できることが増えて、プレーの選択肢も増えますよね。
そうするとほとんどの選手が壁にぶつかるんです。
それはなぜか。できることが増えることによって選択肢が増え、プレーの判断が遅くなったり、リズムが悪くなったりするから。

 そこでまた壁にぶち当たるのですが、それを乗り越えると、いよいよ、うちのリズムに入っていくというか、新しい景色が見えてくる。
だから必ず、壁にぶつかっている選手には、このことを言うんです。
でも、言われた選手は壁にぶち当たっているから『何のことを言っているんだろうな?』と思っていたでしょうね。ただ、抜けたときには『このことだったのか』って思ってくれているはずです

中村憲剛@スポナビ

得点力が落ちている時、フロンターレのサッカーでは判断の遅れ、リズムの悪さが目立ちます。
フロンターレの高度なサッカーは、少しの狂いが仇となるのは分かっていますが、司令塔である大島僚太不在の中、まさに今はこの狂いが生じているのでしょうね。
それでも徐々にその狂いは修正してきていると思っています。あとは鬼木監督を信頼して結果を待つしかありません。

フリーの定義とは

風間監督といえば、哲学的な事を良く言っておられましたが、このフリーの定義もその一つ。

こちらも中村憲剛のインタビューの抜粋です。一言では説明できないフリーの定義ですが、分かりやすく説明しています。

フリーの定義で言えば、たとえDFを背負っている味方がいても、出し手と受け手がフリーだと思えばフリーになる。 
そこには、出し手がパスを出して終わってしまえば、1対1の状況だけれど、そこに出し手がもう一度顔を出せば、2対1の状況を作り出せるということになる。
もっと言えば、僕らは、敵に囲まれているという発想ではなく、常に敵を囲もうとしている。
その相手を囲もうとしている人数が多ければ多いときほど、うちは強いんです。
逆に僕らが劣勢のときは、僕らが囲んでいるのではなく、相手が囲んでいるときということです。

中村憲剛@スポナビ

強い時のフロンターレは、敵陣に何人いようが、それを楽しむかのように、ボールを相手DF陣の中に放り込み、崩していくイメージです。
そんな時は無敵状態なのですよね。そしてそれは常にエキサイティングです。

風間監督は、面白いサッカーを見せたいといつも話していました。
また、これはフロンターレサッカーの基本理念でもあると思います。

「“勝つ”ことは大事なのだけど、なぜ勝ちたいかと言われたら、みんなが見ているから勝ちたい訳であり、サポーターがたくさん入るから勝ちたいし、たくさんの人たちに見てもらいたい。
それから、たくさんのサポーターに楽しんでもらいたい。
それと勝つのがイコールだということであり、それをやるのがプロチーム」
風間八宏

勝敗も大切だけれど、観戦していて、「ああ、いい試合だったな。」と帰り道に思い出してニヤニヤできる日が早く訪れますように。

第6節セレッソ大阪戦ハイライト動画

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フォト42枚 J1リーグ2019 第6節  川崎フロンターレ×C大阪

渚にまつわるエトセトラ。イニエスタ化した大島僚太

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