先日のACL第二節は、香港・旺角にて行われた。
主力を温存して臨んだ試合結果は1-1のドロー。
前半13分に奈良の一発レッドでPKを奪われた。
この微妙な判定には全世界が反応した。その後、フロンターレは数的不利を感じさせないものの、決定機には至らず1-0のまま後半へ。
後半田坂が投入されると、パスの起点となり、相手を崩すフロンターレらしい攻撃が見られるように。
後半7分、田坂のクロスをハイネルが後ろへループパスし、板倉のスライディングでゴール。
その後、小林悠、エドゥアルドネットを送り込むも時遅し、格下と言われた東方に1-1と2試合連続ドローに終わった。
これで一発レッド。川崎フロンターレの奈良が退場。さすがに厳しくないですかね… pic.twitter.com/2dIVWjzXGO
— マドリディス太郎 (@madridistarou) 2017年3月1日
フロンターレサポーターのチケット難民を救った東方指揮官
この試合の開始前、現地ではドラマが起こっていた。
東方戦のチケットは完売していた為、数十人のフロンターレサポーターはチケットを手に入れる事が出来ずにスタジアム入り口に立ち往生していた。
SNSでもスタジアムに入れないサポーターの悲鳴が多く投稿されていたその時、
東方スタッフらしき女性が、フロンターレサポーター達にチケットを配り初めたのだ。
チケットは完売しているのだから、見たいサポーターはダフ屋から購入するしか手が無いはず、
クラブ間での交渉も実らなかったのに何故。
「無料です。あと何人いますか?」
そう言いながらチケット配る女性は「マネージャー(監督)の指示です」と言ったそうだ。
東方の陳婉婷監督が東方ファンクラブ向けのチケットを自費で買い取り、無料で配るように指示したそうだ。
「はるばる日本から香港まで来てくれたのに、試合を見られないのはかわいそう」
公式的に一度完売したチケットをクラブが販売する事は出来ない、とっさに自費で買い上げ無料で配る決断をするとは、寛大な心以上に、相当頭の良い人物に違いない。
世界の女性100人に選ばれた陳婉婷とは
元々は試合分析担当をしていた陳婉婷、シーズン途中の2015年12月に前監督が移籍すると、その時コーチだった陳婉婷が監督に就任した。
それまで無敗だった東方をそのまま優勝へ導き、「史上初めて女性監督として男子のトップリーグを制した監督」としてギネスにも認定された。
現在も東方は首位を走っており、英国BBCが選ぶ「世界の女性100人」にも選ばれている。
今回彼女がチケットを無料で配ったのは、
サッカーを愛しているからだろうが、公式的にフロンターレサポーターにチケットを渡せないのであれば、非公式に自費で買い取り配ってしまおうという今回の行為は、試合分析担当をしていたという頭脳明晰さが生んだ判断だったのかもしれない。
愛称は牛丸だそうだ。性格が牛みたいというのだから男勝りなのだろう。しかし女性ながらの心配りに、脱帽した。
次 等々力に来たら精一杯の拍手で迎えたいものだ。
彼女の牛のような性格が伺える言葉がある
「If you fail to plan, you plan to fail.(計画を失敗するということは、失敗を計画するようなものだ。)」
一度はACLを辞退するといった騒動に見舞われた東方
実はこの、東方(イースタンSC)は、一度はACLへの傘下を辞退している。
監督に就任し、優勝を果たすも、2016-2017年リーグの開幕を控えていながら、これまでのメインスポンサーが突如撤退を発表し、東方はプレミアリーグへの参戦を一旦白紙に戻した上で、香港クラブとして史上初の「ACL」参戦を辞退表明したのだ。
東方は資金集めに奔走し、なんとかスポンサーを獲得し、11月にはACLの出場が改めて認められたのだ。
初の女性監督・香港初のACL出場・そんな影にこうした騒動があっただけに、フロンターレ戦で獲た勝ち点1は大きかったのかもしれない。
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